首から腕・指にかけての痛みと痺れ

昨日、今年最初の新患の方が来られました。

主訴は母指と示指の痺れ。特に示指の痺れが強いとのことでした。

ただ、一番辛いのが左首から左肩にかけての痛みです。

また発症は5年前ですが、酷くなったのはこの1,2年とのこと。

3年前に整形外科にてMRIを撮り、その際C4/5の頸椎ヘルニアと診断されています。

検査

可動域検査

頸椎の可動域検査では、左回旋と伸展(上を向く動作)で左首から左肩にかけての痛みが増悪します。

ただし、母指や示指の痺れには変化はありませんでした。

触診検査

後頚部は全体的に圧痛があり、特に下部頚椎でその傾向が顕著でした。

さらに左肩の後部にも鋭い局所痛が触診されました。

また、同側下部頚椎の前方変位、さらに上部肋骨(特に第1肋骨)の内旋変位も触診されています。

鑑別診断

  1. 頸椎神経根障害
  2. 橈骨神経障害

MRIでC4/5の頚椎ヘルニアが確認されていますが、その場合、C5頸神経根が影響を受けます。

C5頸神経根障害の症状は主に肩から上腕に痺れや痛みが現れ、指にまで関連痛が現れることはありません(ただしあくまでも理論的なお話)。

母指や示指の知覚異常はC6またはC7頸神経根障害の可能性が示唆されます。

これはC5/6またはC7/T1の椎間孔における狭窄(または椎間板ヘルニア)が疑われます。

また、左上肢から指にかけての関連痛は、ほぼ橈骨神経の走行に沿って現れていたため、この神経の絞扼障害の可能性があると判断しました。

実際、橈骨神経の走行に沿って強く鋭い圧痛が触診されています。

橈骨神経絞扼の好発部位は、三角間隙と呼ばれる領域です。

これは上腕三頭筋長頭、大円筋、上腕骨によって囲まれています。

このトンネル構造を橈骨神経が後方に向かって通過しており、ここで絞扼(圧迫)されることがあります。

この患者さんの左三角間隙には強い圧痛がありました(絞扼を示唆)。

治療

以上の情報を踏まえ、治療では以下の構造にフォーカスしました(優先順位で表記)。

  1. C5/6、C6/7頸神経根
  2. 橈骨神経
  3. 下部頚椎
  4. 第1・2肋骨

治療後

治療後は、左頸部から左上腕にかけての痛み(動作痛を含め)は完全に消失しています。

しかし、前腕から示指・母指への痛みは変化なし。

神経に絞扼がある場合、それが開放されても症状寛解まではタイムラグが出ます。

従って、今回のケースもこの後数回の治療を要する可能性が高いです。

今後の予後経過次第ですが、おそらく後3回から5回程度。

治療後は生活上の注意事項とやっていただくエクササイズ(ストレッチ)をアドバイスさせていただきました。

 

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