尾骨痛は比較的珍しい症状であるが、当院では年に2,3名の方がこの症状で来院される。
先日、初診で来られた方が、まさに尾骨痛であった。ぼくの記憶では今年2人目である。
尾骨は下の絵の赤色で示された部分である。
来られた方の場合、以下の構造に問題があった。
- 仙結節靭帯
- 内閉鎖筋
- 尾骨のサブラクセーション
最初に仙結節靭帯と内閉鎖筋の治療を行った。そして、痛みのレベルを確認してもらったところ、治療前の半分になっていた。
ちなみに、この方の場合、スクワットで立ち上がる時に症状の増悪があった。
50%の改善ということだが、経験上他にも原因があることを示唆していることが多い。
そして、案の定、この方の場合、それが尾骨のサブラクセーションであった。
尾骨のサブラクセーションは、尻もちをついた時などの傷害によって発生することが多い。
また、座るときの姿勢が慢性的に悪い場合も、尾骨のサブラクセーションが引き起こされることがある。
しかし、圧倒的に多いのは前者のメカニズムである。
ちなみに、尾骨のマニピュレーションの後、スクワット動作をしてもらったところ、痛みは完全に消失した。
このように、尾骨の治療はメカニズムとアプローチ法を知っていれば、それほど難しくはないのである。