苦しみの定義は、「自分の思い通りにならないこと」だ。
誰でも一つや二つ過去に辛い経験をしたことがあるだろう。その時のことを思い出してほしい。自分の思い通りにならなかったことに対して、苦痛を感じたことと思う。
カイロプラクターなら、「自分の思い通りの治療結果が得られない」と苦しみ(ストレス)を感じるということになるだろうか。
それでは、この苦しみから解放されるにはどうしたらよいだろう。
まず、「自分の思い通りにならないこと」を分解して考察してみる。
一つ目が「自分」である。
二つ目が「思い通りにならないこと」。つまり「希望」である。
結論から書くと、自分も希望もない状態であれば、苦しみはなくなる。
とても単純な話であるが、これは「言うは易く行うは難し」である。
まず自分がない状態ということだが、これは無我の境地に相当する。この域に到達するのはなかなか困難を極める。しかし、近づくことは可能だ。
それでは、無我の境地に近づくためにやるべきことについてだが、これは徹底的に自分を観察することである。
書いていることが矛盾しているように思えるが、自分(自我)を観察することでしか無我の境地に近づくことはできない。
次に希望を持たないだが、これはある程度意識することで可能である。
目標に向かって歩んでいる時、目標はあくまでも方向性の指標である。そして、その目標に到達できるかどうかは、あくまでも結果に過ぎない。やるべきことは、目標達成に希望を持つことではなく、プロセスに集中することだ。
このように自分に言い聞かせながら作業を進めていくうちに、次第に上述したようなマインドがデフォルトとなっていく。
また、前述した「自分」が小さくなっていくと、その結果として何事に対しても希望も期待も持たないようになってくるものでもある。
すると、「苦からの心の開放」が徐々に起こってくるだろう。