患者さんが来られて最初にお聞きするのが、体調のことです(当然ですが)。
昨日、半年ぶりの患者さんが来られました。体調の具合をお聞きしてみると、前回以来まったく問題なしとの返事。
とにかく、本日来られた理由がわからなければ治療にも入れないので、「それで、今日はどのようなことですか?」とお聞きしてみると、「最近、トレーニングのモチベーションが上がらなくて困っている」とのことでした。
思い当たる原因をお聞きしてみても、「とにかくやる気がでない」ということで、ご本人ももどかしさを感じている様子でした。
カイロプラクティックがこのような症状の適応かどうかという点ですが、これは明らかに適応症状ではありません。治療によって、この方のトレーニングに対するモチベーションが上がることはないでしょう。
ぼくができることはただ一つ、筋骨格神経系のコンディショニングだけです。しかし、治療をしながらこの患者さんの「やる気が出ない」ということについていろいろお聞きしました。
ぼくもたまに「やる気出ない病」に罹るので、この患者さんの気持ちはよくわかります。「やらなければならないことがあるのに、どうしてもできない」というのは、なかなか苦しいものです。
それでは、「やる気出ない病」の問題点は何か?まず、一つ目は過去と比較していることです。「以前はもっとやる気があったのに・・・」と考えると、この病は悪化します(笑)。
何でもそうですが、比較するとろくなことはありません。良くも悪くも、比較は苦しみしか生み出しません。
そしてもう一つ。物事には必ずサイクルがあります。息を吸い続けることはできません。吸ったら、必ず吐くというサイクルがやってきます。人生全てその繰り返しです。
やる気がでない状態はサイクルの一部です。やる気が出ない時もあれば、やる気が出る時もあるということ。いつまでもやる気が出ない状態が続くということは、ちょっと考えにくい。「ずっと、このままやる気がでないのではないか?」と考えてしまうと悪循環が始まります。
また、経験上、この状況でもがくと事態を悪化させることが多いです。
結論は、「好調だった頃と同じことをしようとは思わず、今の状況でできることを続けること。ただし、歩を完全に止めることはしない(余程重症でない限り)」ということかな。
別の表現を使えば、「現実を受け入れろ」ということ。
他人事だと、こんなに冷静に判断できる・・・(笑)
追伸;
帰り際にこの患者さんは「何だか気が楽になりました」と仰っていました。
【お知らせ】
2016年4月24日(日)関節運動学的セミナー@大阪 (手関節)
2016年5月11日(水)から5月19日(木)まで休診させていただきます。