先日、ある患者さんが「ストレスのせいでうつ病になりそうです」と訴えておられました。ストレスの詳細についてはわかりませんが、この方のストレスの原因は将来への不安が引き起こしているのは明白です。
- 将来への不安が増大している
- つまり、まだ現実化(実際に存在していないこと)していないことへの妄想が肥大化している
- さらに、現実化していないことが将来起こることを想定してしまっている
- つまり、物事のネガティブな側面に心が張り付いてしまっている
そして、もう一つ、未来の自分への期待が大きければ大きいほど、不安も大きくなります。
以下は、脳はこんなに悩ましい (新潮文庫)という本からの抜粋です。
「有限性を理解しないのはもちろん、未来の自分に期待もしない。その代わりに、「絶望」から解放されます。落ち込まないんですよ。たとえば、大けがをして、ほとんど寝たきり状態の重度の身体障碍が残っても、チンパンジーはへっちゃら。いつもどおり、キャッキャと楽しそうなのです。」
これ読んで、「チンパンジーすげえ!」と驚嘆しました。寝たきりになっても、ハッピーでいられるなんてすごいです。
しかし、チンパンジーの場合、将来を予測することができるほどの知能を持っていないので、当たり前と言えば当たり前なのですが・・・。
やはり、「将来に起こり得ることを知りつつも、全く心が動揺しない状態」が理想です。それこそが、究極的な幸せでしょう。
ちなみに、この本、とても面白いです。脳や心のクセを理解することができます。また、普段瞑想をする方は、別のアングルから心を観ることができるようになります。おすすめです。
【お知らせ】
2016年4月24日(日)関節運動学的セミナー@大阪 (手関節)
2016年5月11日(水)から5月19日(木)まで休診させていただきます。