比較的少ないですが、患者さんに中に小さなお子さんもいます。
先日、ある患者さんのお孫さんが来られました。
特に痛いところはなく、ただ「姿勢を見てほしい」とのことでした。
大人であろうと子供であろうと、やることに変わりはありません。
もちろん、体格によって治療の刺激量は変化させます。
子供の場合、関節が柔らかいですし、成長骨端もまだありますので、強いスラストは入れないようにしています。
そして、もう一つリクエストがありました。
それは「バランスボールの使い方を教えてほしい」というもの。
どうも小学生(男の子です)の患者さんは、中学受験のために毎日勉強で忙しいようでした。
ぼくのところに連れてこられた本当の理由は、おばあちゃんが孫の悲壮感漂う様子に見かねて「リラックスさせてやりたい」というものだったようです。
この子の両親はとても厳しいようで、家にいるときは勉強していなければならないようです。
彼に「ストレスは感じる?」と聞いてみると、まだ小学校6年生ですが「はい」と即答。
ぼくが小学校6年生のときは、ストレスという言葉さえもまだ知らなかった(笑)。
聞くと、毎日6,7時間、そして土日は1日12時間も勉強をしているそうで、本当にたまげてしまいました。
ぼくが大学受験のときでさえ、そんなに勉強しませんでした。
これでストレスを感じなければ、逆におかしいですね。
そんな話を聞いた後で彼の顔を見てみると、何となく表情に乏しいような感じでした(先入観がそう見せたのかも)。
勉強量はともかくとして、これだけのことを毎日続けられる意志力はすごいと思いました。
本人が望んで勉強しているのなら全く問題ないですが、おそらくそれだけではないですね。
親が子供に大きな期待を寄せて、それに子供が応えようとするのは、あまり望ましい親子関係ではないですね。
そのような親子関係で育つと、その子供は周りの目を気にしながら生きるようになります。
つまり、「自分のやりたいこと」ではなく「周りがやって欲しいと思うこと」を人生のプライオリティにします。
(「周りがやって欲しいと思うこと」は妄想ですね)
自分の人生ではなく、誰か他の人の人生を歩むようになります。
つまらないですね。
ぼくも、小さいころはそういうこともありました。
しかし、いつのころか「覚醒」し、自分の意志ですべてを選択するようになりました。
父親にはよく「お前は天邪鬼」と言われたのを覚えています(笑)。