Brexitに続き、アメリカもやってくれた。
まさかのトランプ大統領の誕生である。後からなら何とでも言えるが、ぼくはBrexit以来、まさかが起こるかもしれないと言っていた(たまにだけど(笑))。
個人的には腹黒ヒラリーには良い印象を持っていなかったので、トランプで良かったと思っている。
Brexit同様、直前までの下馬評を覆してのトランプ大統領である。このことは何を意味しているのであろうか?
ヒラリーを支持していたのは、都会に住むインテリ女子だ。一方、トランプを支持していたのは田舎の偏屈頑固おやじだ。今回は頑固おやじに軍配が上がったことになる。
これはBrexitでも同じだった。Brexitに賛成していたのは、都市部よりも田舎に住んでいる頑固おやじ連中だ。
つまり、トランプもBrexitも「田舎に住む頑固おやじの反乱」だったのだ。彼らは社会から取り残された人たちである。
世界ではこのような人たちの不満が小爆発をし始めているのだ。Brexitもトランプ大統領誕生も、彼ら不満分子のエネルギーによるものだ。
(著者注;ここで言う「頑固おやじ」とは超保守主義者のことである)
ニュースを読めば、様々な評論家の見解が書かれているが、ここではぼくの見解を述べてみたい(笑)。
アメリカは世界一資本主義が発達した国である。Super richトランプは実業界の成功者、資本主義の申し子のようなものだ(事業は父親から譲り受けたものであるが)。
しかし、行き過ぎた資本主義社会の歪みが、トランプを大統領にしたのではないだろうか?
アメリカンドリームという言葉があるが、これはアメリカでは死語になりつつある。なぜか?余りにも格差が進行し過ぎたからだ。
社会的に不利な人間が成り上がるチャンスがどんどん狭まっているのだ。
ハーバード大学の年間授業料をご存じだろうか?約7万ドルである。日本円にして700万円だ(文科系の学部)。4年間で何だかんだと3000万円必要となる。そして、ハーバード大学を出ると、新卒の年俸の最低ラインが2000万円だというのだから、これまた驚きである。
しかし、果たして毎年700万円の学費を賄える家庭がどれほどあるというのだろう(アルバイトをしながら捻出できる額ではない)。どんなに頭が良くてもハーバード大学を卒業することは、今や非常に難しくなっているのだ。
どんな人間にもチャンスが与えられる国がアメリカではなかったのだろうか?実力がある人間が成り上がれる国がアメリカではなかったか?
インドにはかつてカースト制度があったが、今のアメリカは、それに非常に似た状況にあると感じている。
アメリカ社会には閉塞感が蔓延している。これはBrexitのイギリスでも同じだと思う。いや、世界全体が閉塞的になってきているのかもしれない。
そして、今後ナショナリズムの嵐がさらに吹き荒れる可能性がある。
もちろん、日本もその例外ではない。
インターネットのお陰で世界との距離感が信じられないスピードで狭まってきている。しかし、それとは逆に社会には閉塞感が充満してきている。
ネット上での距離感は狭まっているが、孤立している人が増えているのではないだろうか。
今年の5月にお会いしたタイの出家比丘の方が仰っていた「日本に久しぶりに来たけど、以前より閉塞感を感じました」という言葉を急に思い出した次第である。
『日本のカイロプラクティックのレベル』と『このブログのランキング』を上げたいという人は
2016年11月27日(日)関節運動学的セミナー@大阪 (上肢)
2016年11月13日(日) 第5回マインドフルネス瞑想会@名古屋