最近どういうわけか股関節痛を訴える患者さんが多い。そして、その殆どが女性である。
股関節が先天的に緩い人がいる。感覚的には、そのようなケースは男性に比べて女性が圧倒的に多い。
先日も7年来の鼡径部痛で来られた方がいた。整形外科ではインピンジメント症候群と診断されている。
ちなみに、股関節痛の原因のトップ2は変形性股関節症とインピンジメント症候群である。
しかし、この方の股関節を診て感じたことは、インピンジメント症候群ではまるで違うということ。
インピンジメント症候群の場合、股関節の屈曲や内旋の最終可動域においてハードエンドフィールとなり、さらにそのタイミングで疼痛(大概深部痛)が現れることが多い。
しかし、この方の場合、ハードエンドも疼痛も全く現れない。この時点でインピンジメント症候群の可能性はほぼないと判断した。
整形外科では画像検査以外の検査は行わないことが多く(明らかにネグレクトだが)、このような診断ミスは頻発する。
話をこのケースに戻そう。この方の場合、股関節痛というよりもむしろ鼡径部痛を訴えている。さらに、大腿内側に知覚異常が現れることもあるとのこと。
「鼡径部痛」と「大腿内側の知覚異常」。これら2つの症状にマッチする原因として、真っ先に頭に浮かんだのは閉鎖神経の絞扼症候群である。
もし、そうであるならば、この症状は徒手的に改善する可能性が高い。しかし、すでに7年の歳月が経過しており、さらに自覚症状は徐々に悪化してきていることから、治療に対する反応は限定的かもしれない。
ここまで3回の治療を終えた。初診時の治療では全く変化が認められなかったが、2回目の治療後、数日間完全に症状が消失していたとのことである。
もう少しのところまで来ているような気がしている。
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