まずは耳管の概要について。
- 鼓室と上咽頭を結ぶ管(30~40mm)
- 外側は骨、内側は線維軟骨性組織によって覆われる
- 線維軟骨部は前内下方に伸びている
- 鼓室の内圧調整
- 分泌物の排泄
鼓室は内耳にあります。上咽頭は喉の奥にあります。つまり、耳管は内耳から喉の奥に繋がっている管です。ちなみに扁桃腺は上咽頭の手前にあります。
内耳から出たところは側頭骨によって覆われています。健康であれば、この部分は常に開いている状態です。
さらに下行すると線維性軟骨によって覆われている部分に出ます。側頭骨によって覆われている部分と線維性軟骨によって覆われている部分の境界は耳管峡部と呼ばれており、およそ160°の角度を形成しています。
線維軟骨部は横断面から30~40°、矢状面から45°の方向に伸びています。線維軟骨部の天井は蝶形骨(耳管溝)になっています。
右側頭骨前面図(参照)
左側頭骨側面図(参照)
もし側頭骨が後方回旋した場合、耳管峡部で折れ曲がり、耳管の狭窄を引き起こします。
(参照)
先述したように、耳管は鼓室の内圧調整や鼓室内で生じた分泌物を上咽頭へ排泄する役割を持っています。従って、耳管が狭窄するとこれらの機能が働かなくなります。
特に分泌物の排泄が滞ると中耳炎などのリスクが高まります。
上部頚椎、頭蓋(側頭骨、後頭骨、蝶形骨など)のアジャスメントにより耳管の狭窄を改善させることで、分泌物の排泄を促し中耳炎を改善させることが可能です。
これが、カイロプラクティック療法が中耳炎の症状改善に役立つと言われる所以です。
追伸;耳管の狭窄には口蓋帆張筋、そして間接的に口蓋帆挙筋の状態に影響されますので、これら筋肉の状態も考慮する必要があります。
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