症状の原因に対する考え方はカイロプラクターによって変わる。
ぼくの場合はあくまでも理詰めで考えていくタイプ。
もちろん、感覚的、直観的な部分もあるが、ベースは理論である。
そして、一つの症状に対しては、以下の3つの角度から原因を考える。
- 筋肉(腱、靭帯)
- 関節
- 神経(抹消、中枢)
ケースによっては、神経単独で原因の大部分を占めていることもあるし、それが関節のこともある。
しかし、たいていの場合、どれか一つに決めることはナンセンスである。
なぜなら、これら3つの構造は互いに影響しあっているからである。
ただ、治療時間は無限にあるわけでもないし、ぼくの集中力が無限に続くわけでもない。
よって、これらの中で優先順位をつけ、効率よく症状を見ていく。
その方が、患者さんへの負担も少なくなるので、一挙両得である。
具体的な治療法についてはこちらを参照してください。
カイロプラクティック療法 カイロプラクティック療法では、背骨のずれを触診や可動域検査などにより見つけ、それらを正しい状態に戻していきます。背骨のねじれなどによって生じていた痛みを除去するのが目的です。 また、背骨の周辺には脊[…]
優先順位の付け方は、直観的になる。
従って、この部分は論理の域を超えており、その理由を説明してと言われてもできない。
強いて言えば、過去に同じ考え方で治療してうまくいったから、となるだろうか。
理論の部分は学ぶことで誰でも習得可能である。
しかし、直観の場合、経験を積み上げることでしか習得することはできない。
そして、カイロプラクターとして進化するためには、最終的には直観を磨いていくことがとても大切だと最近よく感じる。
先ほど書いたように、直観を磨くためには経験を積み上げることが大切だが、それだけでは足りない。
1人1人、1回1回の治療に全エネルギーを投入し、指先の感覚に集中し、丁寧に診ていくことが前提である。
少しでも怠慢心が現れてきたら、それに気づき、そして集中状態に戻す。
そのように何年、何十年と積み重ねていくことで直観は磨かれていく、と思っている。
ウエイトトレーニングを何年もやっているのに、筋肉がほとんどつかないという人がいる。
実施しているルーティンは問題ないし、栄養もしっかり摂れている。
しかし、ほとんど体つきが変わらない。
そういう人は、ただバーベルやダンベルを上げ下げしているだけかもしれない。
1レップ1レップに集中せず、丁寧にやっていない可能性がある。
少し話が逸れたが、カイロプラクティックもこれに似ている。
だからセミナーでやったことを、ただ真似るだけでは足りない。
自分ができる最上の丁寧さで、1人1人の患者を診ていくことが必要である。
それを積み重ねていくことで、誰にも追いつくことができない領域に到達することが可能なのだ。
カイロプラクターとしてだけでなく、人間としても。
著者注:偉そうなこと書いてますが、ぼく自身も道半ばです