先日来られた方の主訴は、大腿外側部の痛み(+痺れ)。
初診ではなく、同じ症状で2回目の受診だった。
1回目は1か月ほど前。
つまり、前回の治療後、症状の改善がなかったために再来院となった。
大腿外側部痛の鑑別診断は以下の通り。
- 股関節(関節包)
- 腸脛靭帯
- 外側広筋
- 仙腸関節(同側)
- 外側大腿皮神経
初診時では、これら鑑別診断の原因となり得る箇所に対してアプローチした。
過去に似たような症状で腸脛靭帯に問題があったケースを診たことが合った。
よって、腸脛靭帯にバイアスが働いていたことは確かである。
実際、これで改善するだろうと思っていた。
しかし、結局、それは的外れな治療であった。
そこで、再び問診を行い、発症のメカニズムについて考察してみた。
そこで得た答えは外側大腿皮神経であった(下図の濃い青色の領域が外側大腿皮神経の知覚支配領域)。
2回目の治療では、ほぼ外側大腿皮神経のみにフォーカスして治療。
ちなみに、この神経は主に3か所で絞扼が発生する可能性がある。
それら、全ての箇所を入念に触診し、問題と思われる箇所を治療。
この方の場合、常に症状が出ていないので、治療後の具合は確認できなかった。
しかし、先ほどラインで連絡があり、「調子は良い」との報告を受けている。
後はこのまま症状が寛解していくかどうかを見守るのみ。
そして、万が一、再び症状が戻ってしまったら、その時にまた新たな視点で解決策を探していくだけである。