今日は変形性股関節症の方が、初診で来られました。
2年前に病院でそのような診断を受け、それ以降徐々に自覚症状が現れてきたとのことでした。
変形性股関節症で起こっていることは、関節軟骨の摩耗です。
それによって、関節のスペースが狭くなり、痛みやこわばり感などの自覚症状が現れます。
治療中、この方からすごく良い質問をされました。
「カイロプラクティックでは、この症状の何を治療しているのですか?」
というものです。
素晴らしいです。
本当なら患者さんに質問される前に、ぼくからしっかりと説明しておくべきことでした。
先ほども書いたように、変形性股関節症で起こっていることは関節軟骨の摩耗です。
つまり、構造的な問題。
この部分は徒手的にはどうしようもありません。
完全に外科の領域なので、カイロプラクターはノータッチです。
私たちカイロプラクターが診るのは、機能的問題です。
具体的には、以下のようなもの。
- 股関節の可動域制限
- 股関節のずれ
- 筋肉や腱、関節包など股関節をサポートしている組織の異常
- 神経
これらの構造の異常をまさに手探りで探し当てて、一つ一つ丁寧により良い状態にしていくのです。
つまり、変形性股関節症の症状の原因には、構造的要因と機能的要因の2つがあり得るのですが、私たちカイロプラクターは機能的要因の部分しかタッチしません(できません)。
これは、変形性股関節症だけでなく、他の疾患でも同様です。
例えばこの患者さんの痛みの原因の100%が構造的なものに起因するのであれば、カイロプラクティックではなにもできないということになります。
また、痛みの原因が構造的2に対して機能的8であれば、痛みの8割は消失してしまうということです。
もちろん、前者のようなケースもありますが、多くの場合、構造的そして機能的両方の原因が混在していることが多いです。
ほぼ、こんな感じでお話させていただきました。
やや専門的な内容でしたが、とても聡明な方ですぐに理解していただけたようでした。
ちなみに、治療後、症状は完全消失していたようです。
セルフでできることをお話して終了となりました。