炎症

気づかずに生じている体内の炎症反応

肥満、糖尿病、歯周病、脳梗塞、心臓疾患などは、多かれ少なかれ、身体の炎症が起こっています。そして、身体の炎症のほとんどは腸管から始まります。

腸管の慢性的な炎症により、内臓全体の機能低下が生じます。腸内には腸内細菌が生息していますが、それらの中には炎症を引き起こすものがいます。

例えば、ブドウ球菌はⅡ型糖尿病を引き起こすと言われています。

細菌が脂肪細胞と接触することで、慢性的な炎症反応が引き起こされます。悪玉菌から分泌される化学物質が脂肪細胞を刺激することで、サイトカイン(炎症物質)が分泌されます。

ブドウ球菌はスーパー抗原と言われる毒を生成しています。スーパー抗原は免疫システムに障害を与えます。また、スーパー抗原によって引き起こされた慢性的な炎症は、糖尿病性潰瘍をより悪化させる可能性があります。

炎症反応により糖尿病は悪化する

肥満の人は、そうでない人とは異なる腸内細菌を持っていることがわかっています。一般的には善玉菌に比べ悪玉菌が優勢な状態です。また、肥満の人に特有の腸内細菌もあります。例えば、ヒトアデノウイルス36(結膜炎や気管支炎を引き起こす)は、肥満に関連するウイルスだと考えられています。

黄色ブドウ球菌や大腸菌は、脂肪細胞に働きかけサイトカイン(炎症物質)の分泌を促します。従って、これらのウイルスは糖尿病の症状を悪化させると考えられています。つまり、肥満により副作用というわけです。特にブドウ球菌は糖尿病と深くかかわっていると思われます。

  • 糖尿病患者の腸管にはブドウ球菌が豊富に存在する
  • ブドウ球菌は糖尿病性潰瘍にもっとも多く見られる

また、ブドウ球菌と大腸菌が同時に存在すると、サイトカインと脂肪細胞の反応はさらに強くなります。従って、糖尿病のリスクが高まります。

 

歯肉炎と心臓病の関係

コロンビア大学(ニューヨーク)の研究者らによると、歯茎のコンディションを良好に保つことで、心臓病のリスクを低く抑えることができます。

また、別の論文(2010)においても、歯周病ケアをしている人(一日二回の歯磨き)は、そうでない人と比べると心臓病リスクが70%も低かったとしています。この論文では、歯周病の改善により動脈硬化の進行が抑制されたこともわかっています。

歯周病の原因は、特定の口内細菌によるものです。そして、口内細菌は、腸内細菌の状態に連動しています。歯周病では、細菌と炎症物質が大量に生じていますが、同時にこれらは血流へと流れ込んでいきます。従って、これらは脳梗塞や心臓病のリスク要因になります。つまり、炎症を抑制することが健康維持にとって大切になります。

 

健康な腸内フローラのための食事と環境

腸内フローラを良好に保つためには、善玉菌を増やす必要があります。そのためには、精製食品を避け、発酵食品を食べるようにします。

  • 納豆
  • 漬物
  • キムチ
  • ヨーグルト

なるべく多くの種類の発酵食品を食べることをお勧めします。もし、どうしても食べられないという人は、プロバイオティックスのサプリメントを摂取してみてください。

しかし、発酵食品を十分摂取していたとしても、メインとなる食事が不適切であったら、腸内環境の改善は見込めません。例えば、精製食品は悪玉菌を繁殖させ、腸内フローラの状態を悪化させることがわかっています。また、以下のものも腸内フローラの状態を悪化させるので、注意が必要です。

  • 抗生物質
  • 農薬
  • 人口添加物

 

慢性的な炎症を改善させるカギは食事

ずばり医食同源です。食事に気を付けることで、体内での炎症反応を改善させることができます。例えば、トランス脂肪酸や糖質(特に果糖)は炎症を誘発します。一方、オメガ3、ガンマリノレン酸さん(GLA)などの脂質は炎症を改善させます。

Scandinavian Journal of Gastroenterologyに発表された論文によれば、オメガ3は炎症を改善させ、抗酸化作用も持っていることがわかっています。身体の炎症反応を改善させるためには、以下の食品を避けるようにしてください。

また、ビタミンDも腸内フローラの環境改善にとって大切です。最近のリサーチによると、ビタミンDはクローン病や潰瘍性大腸炎のような、炎症性腸疾患の改善にとって非常に重要な栄養素であることが示唆されています。

 

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