スーチー

選挙後のアウンサンスーチー氏のインタビュー

(原文:選挙後のアウンサンスーチー氏のインタビュー

ミャンマーでの選挙戦ではアウンサンスーチー氏が率いるNLD党が大勝を収めようとしています。水曜日にスーチー氏にインタビューした際、彼女は「まだ勝利宣言をすることはできない」と答えていました。

スーチー氏にとって11月8日に行われた選挙での勝利は、支持者らにとっては最初の一歩に過ぎません。また、軍部が選挙結果を受け入れないことに懸念があることを尋ねると、「疑念にとらわれているばかりではいられない」とも答えていました。

インタビュアー:ここまででNLDは何%程度の得票率であるか教えていただけますか?

スーチー:70%以上です。

インタビュアー:選挙前、ここまでの勝利を予測していましたか?

スーチー:NLDは大衆に近い政党ですから、現在の結果はある程度予測していました。NLDは国民が何を必要とし何を望んでいるかを理解しています。

インタビュアー:今回の選挙はどの程度、自由と公正性が保たれていたと思いますか?

スーチー:我々は今回の選挙に関する違反について多くの指摘をしています。しかし、それは問題をかき回すことを意図しているのではなく、支持者のみなさんが選挙が真に自由と公正性が保たれていることを確信するためです。従って、我々は規則に反する行為に対して公的に陳情を出しています。その中には警察に届けなければならないものや、選挙管理委員会へ届けなければならないものもありました。しかも、そのような事例は今回多発していました。

インタビュアー:期日前投票の時間が守られていなかったことに関しては、どのように対応するつもりですか?

スーチー:それらは明らかに選挙規定に違反している行為です。規則は非常に明確なものです。期日前投票は午前6時前までであると決められていました。また、海外からの期日前投票は午後4時までです。

インタビュアー:USDPの候補者の中には、敗北を認め、NLDの当選者を祝福するものもいます。それについてはどのように思われますか?

スーチー:それは、政治的に称賛されるべき行為です。そのようなUSDPの候補者に対して感謝の意を表したいと思います。

インタビュアー:今回NLDは多くの議席を獲得しました。この選挙戦における勝因は何だと思いますか?

スーチー:それはNLDが国民に近い政党であるからです。NLDは国民の中から生まれた政党であり、参加者はみな国民から選ばれています。つまり、我々の政党は国民によって作られており、共通の意志を持ち合わせています。一緒に戦い、一緒に悩んできました。そして、一緒に希望に向かって頑張ってきました。30年以上の間、一緒に夢に向かって努力してきたのです。NLDと国民は仲間であり戦友でもあるのです。これが、多くの支持を得た理由だと思います。

インタビュアー:この勝利の瞬間の思いを教えてください。

スーチー:まだ勝利は決まったわけではありません。NLDが選挙に勝ったというわけではないのです。なぜなら、我々の支持者が目指していることは、選挙に勝つ程度のことではないからです。彼らのこのような政治意識には元気づけられています。そして、彼らを敬愛しています。人々が望んでいることは、まだまだ先にあり、今回の選挙はその最初に一歩に過ぎません。そこに到達して初めて、私は自分の思いをお話することができます。やるべきことはまだまだたくさんあります。今は何をすべきかということしか考えていません。

インタビュアー:国民の中には、未だ軍部に対する不信感を持っている人もいます。軍部がこの選挙結果を尊重するかどうかに対して疑念を抱いている人たちです。このことについて何かコメントはありますか?

スーチー:そのような疑念を抱くことは不思議ではありません。しかし、いつまでも疑念にとらわれているわけにはいきません。確固たる決意を持ってやるべきことをやり前に進むべきなのです。多くの人は、これらのやるべきことがしっかり成されることを期待しています。軍部の人々は国民と手を握り合うべきです。軍の代表者は、国民と共にありたいと今までに何度も言ってました。

インタビュアー:あなたは、大統領、軍の司令官、そして下院の報道官との面会を要求しましたが、彼らと個別に会うつもりですか、それとも一緒に会うつもりですか?

スーチー:どちらでも構いません。私の要求に応じてくれる人であれば、誰とでもお会いしたいと思っています。

インタビュアー:今回の選挙結果からもわかるように、国民は「真の変革の時だ!」というあたなのスローガンを受け入れました。最初に何をするつもりですか?

スーチー:まずは内閣の改造です。内閣改造が、今回の選挙において国民がもっとも望んでいることなので、内閣人事を最初に決めます。

インタビュアー:内閣にはどのくらいの教育を受けた人を入れるつもりですか?

スーチー:「教育を受けた」というのは、どのような意味ですか?「教育を受けた」という言葉の意味を熟考する必要があります。いくつもの学位を持っている人を教育を受けた人と考える人もいますが、私は状況判断を適切に行い、的確に意思決定ができる人の方が重要だと思っています。学位には価値がないと言っているわけではありません。私自身、学位を持っている人は素晴らしいと思いますし、敬意も払っています。ミャンマーでは大学卒の人はほんの4%だけです。だからと言って、96%の人には価値がないとでも言うのでしょうか?大学卒業者が唯一価値のある人々だとしたら、国民のほとんどは価値がないということでしょうか?そんなわけありません。重要なのは適材適所の人材を見つけることです。

インタビュアー:1962年に軍部が政権を取って以来、国民には3つの遺産が残されています。それらは、利己主義、他者への不信感、恐怖心です。恐怖のため、国民は公の場に出ていかなくなり、自尊心を失いました。これら3つの遺産を国民の心から取り除くためには何をすべきだと思いますか?

スーチー:利己主義、不信感、恐怖の順番でお話されましたが、実際には逆です。軍部が政権を取ってすぐに国民の心には恐怖が植え付けられたのです。心に恐怖心があると、他人への不信感が現れてきます。そして不信感は利己主義へと発展するのです。誰も信用できないから、自分でやらなければならない。誰も頼ることはできない。ですから、あなたが先ほど話した順番は全く逆です。人々の心から恐怖を取り除くためには、憲法を変える必要があります。このことは、以前から何度もお話していることです。国民には心の安心が必要なのです。なぜ、多くの人々は民主化を望んでいるのですか?それは、民主化により自由と安全がバランスの取れた状態で得られるからです。自由のために互いに争うべきではありません。心に安心感が得られれば、恐怖が次第に和らいでいくことでしょう。そして、他人への不信感もなくなっていきます。誰かが嫉妬を抱いているなどと心配する必要もなくなります。誰かが自分を陥れようと、嘘の密告をするなどと心配する必要もなくなります。不当に罰則を受けるかもしれないという恐怖心が消えれば、自信と信頼が芽生え、人々は互いをもっと愛し合い、尊敬しあうようになるはずです。

インタビュアー:あなたは若者のことをいつも考えているように思いますが、タバコを吸ったり、ドラッグを使ったりする若者についてどう思われますか?また、十分な栄養摂取がないために、多くの子供たちの成長に支障が生じていることについてどう思われますか?

スーチー:この件については経済的な問題に対処する必要があります。以前から言っているように、新たに仕事を作ることが最重要課題です。仕事によってお金を得ることで自信が育ちます。無職の人たちには自信がありません。仕事がなければ誰かに頼らざるを得ないため、彼らは自分に価値を見出すことができないでいます。何年もの間、十分な栄養を摂っていなければ、子供たちの身体の成長も止まってしまいます。身長が伸びるのは、ある一定の年齢までです。それ以降は変えることができません。しかし、多くのことを改善することができます。身体は小さくても、身体の健康状態を維持することはできます。ですから、我々は様々な側面で努力しなければなりません。若者の喫煙や飲酒は我が国だけの問題ではありません。多くの国で同じことが起こっています。しかし、ドラッグ中毒に関しては、この問題解決のために効果的な抑止法を考えなければなりません。多くの場合、若者は希望や目標を失うことで、社会から脱落していきます。今回の選挙に多くの若者が参加してくれたのは、大変素晴らしいことで称賛すべきことです。彼らには選挙に勝つという目標があります。希望を実現させるという目標があるが故に、若者は信じられないほど一生懸命働いてくれました。

インタビュアー:変化はいつ頃目に見えてきますか?

スーチー:最初に政治体制を整えなければなりません。その後、ある一定の期限内にやるべきことを人々に示す必要があります。NLDは具体的な計画があります。経済状況を良くしますとか、健康分野を充実させますなどと言った抽象的なことを言うつもりはありません。計画は明確かつ正確である必要があります。しかし、まずは政治体制を整えなければなりません。

インタビュアー:政治体制を整えるためには何をすべきでしょうか?

スーチー:これは我々の力だけではどうしようもありません。現政権の協力が必要になります。まずは選挙委員会の仕事を終えることが先です。

インタビュアー:外資と天然資源の利用にいて説明してください。

スーチー:海外からの投資はもちろん必要になります。同時にある程度天然資源を利用する必要もあります。外資が必要なプロジェクトも出てくるでしょう。重要なのは、ミャンマーの国民がそれによって経済的に豊かになることです。外資は利潤が見込めなければやってきません。また、我々は彼らが何の利潤もなしに働くことを期待することはできません。しかし、国民には正当な利益が得られるできです。外資よりもほんの少しだけ多くの利益です。

インタビュアー:外交政策についてお話しください。

スーチー:国家が独立して以来、我が国はどこの国とも同盟関係を結んできませんでした。しかし、インドや中国などの隣国とは良い関係を保ってこられました。また東南アジア諸国とも良い関係性を築けています。我々は他国に対しまったく敵意を抱くことはありませんでした。

インタビュアー:投獄されている学生や政治犯を釈放することについてはどのようにお考えですか?

スーチー:法にのっとって進めなければなりません。民主国家には政治犯は存在すべきではありません。

インタビュアー:それでは、自由を抑制する法律についてはいかがですか?

スーチー:憲法5条と10条のような国民の自由を制限している法律は変える必要があります。この類の法律は、今後変えていきます。以前、国会においてこれらの法律を変えようとしましたが、野党(少数派)であったために実現できなかったのです。

インタビュアー:選挙後の今、国民に何か言いたいことはありますか?

スーチー:全ての国民の皆さまに感謝しています。多くのみなさんの指示に勇気づけられ、感謝しています。しかし、まだ終わっていません。今後起こるかもしれない何らかの扇動行為には注意してほしいと思います。今後、数週間から数か月の間、国民の皆さんは自分自身をよくコントロールし、暴動などの扇動に注意してください。目的に向かっている途中で挑発的行為がありかもしれません。しかし、互いの信頼と理解があれば、そのような妨害も問題なくクリアできるはずです。重要なことは、冷静にゴールに向かって歩んでいくことなのです。そして、私は国民の皆さんが、このことを実現できると信じています。みなさんに大変感謝しています。

 

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