バイアスが成長を止める

おはようございます!

 

もう10年以上前になりますが、トリノオリンピックで診たスキー選手で膝痛のケースがありました。

 

話を聞くと、スキーで傷めたような感じではありませんでした。つまり、急性もしくは反復性傷害ではないようでした。

 

主訴は膝の痛みなのですが、本人も膝のどこが痛いのかはっきりしていませんでした。そこで触診してみると、どうやら膝裏に違和感があるようでした。結局、このスキー選手が訴える膝痛の原因は膝窩筋という膝裏にある筋肉でした。

 

このケースで印象に残っていたのは、「長い間椅子に座っていて立ち上がる時に膝が痛い」とこの方が言っていたことです。以来、このことは膝窩筋の症状の特徴としてぼくの脳みそにインプットされました。ちなみに、膝窩筋の場合、膝裏もしくは膝の外側に痛みが現れることが多いです。

 

 

昨日、来られた患者さんは膝の内側に痛みを訴えていました。今年の8月以来、痛みが継続しており、整形外科に通っているが一向に改善されないとのことでした。

 

膝内側の痛みの鑑別診断としては、以下のようなものが考えられます。

 

  • 内側側副靭帯
  • 内側半月
  • 縫工筋腱
  • 内転筋腱
  • 伏在神経(縫工枝)
  • 半腱様筋・半膜様筋腱
  • 腓腹筋腱(内側頭)

 

膝内側の痛みの原因として比較的多いのは、内側半月と伏在神経ですね。内側半月はフィクセーション(可動性制限)、伏在神経は縫工筋腱との絡みで問題が発生していることがあります。

 

そこで、この辺りの構造を一通り治療してみました。治療後、それなりに楽になっているのですが、すっきり痛みが取れたという感じにはなりませんでした。

 

こういう場合は、大概ぼくの見立てに問題があるときです。つまり、ポイントをはずしているということ。しかし、1回目の治療では、これで時間切れになってしまいました。

 

そして、昨日2回目の治療でした。痛みの状態は、10段階評価で7もしくは8程度とのこと。これは、ほぼ何も改善していませんと言われているのと同じです。

 

このようなケースで1回目と同じ治療をしても、改善する可能性は低い。そんなことは、過去の経験からわかっています。従って、同じ視点でこの症状を見るわけにはいきません。こういう状況では、過去のバイアスをある程度解除しなければ、新たな視点に転換できません。

 

再度、丁寧に触診をしてみると、どうやら膝窩筋に違和感があるようです。ただ、この方の場合、膝の内側に痛みを訴えています。「膝窩筋が果たして膝内側の痛みの原因になるのか!?」と一瞬思いましたが、自分の手がとらえた異常を淡々と改善させていくことにしました。

 

治療後、確認してもらうと、この方の膝痛は完全に消失しているようでした。その時、思い出したことがあります。初診時の問診の時、「長時間椅子に座っていて立ち上がる時に激痛なんです」とこの患者さんが仰っていたことを・・。ただ、この時は膝の内側の痛みということで、膝窩筋は選択肢から除外されていました。

 

現段階での結論は、「膝窩筋によって引き起こされた膝内側の痛み」ということです。膝窩筋に起因する膝痛のケースは過去にもたくさん診ていますが、このケースは初めてです。

 

このケースのポイントは、「膝窩筋は膝裏、もしくは膝の外側の痛みを引き起こす」というバイアスからいかに自由になれるかという点です。

 

特に過去の症例でうまくいったケースが多いほど、バイアスの奴隷になっていることが多く、発想の転換は困難になります。かと言って、完全にそれを無視してもダメです。

 

大切なのは、基本はあくまでも抑えつつ、そこにくっつき過ぎず、離れ過ぎずの距離感ですね。

 

また、カイロプラクターとしての経験値をアップできました。

 

いつまで経っても成長期です(笑)。

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